RADIOLOGY GLOSSARY
Spencer-Attix空洞理論(Spencer–Attix cavity theory)
IN ONE LINE
一言でいうと
空洞中で生じる二次電子の持ち出すエネルギーを考慮し、制限衝突阻止能を用いて空洞と周囲媒質の吸収線量を結び付ける小空洞理論です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
測定用の小さな空気の部屋から飛び出す電子まで考え、空気の線量を水の線量へ換算する理論です。
身近なイメージ
教材上の理想小空洞で空気線量1.00 Gy、平均阻止能比を仮に1.12とします。 理想条件では水線量1.12 Gyです。この比は実機の普遍的な校正定数ではありません。
そもそもSpencer-Attix空洞理論とは?
測定用の小さな空気の部屋から飛び出す電子まで考え、空気の線量を水の線量へ換算する理論です。
Bragg–Grayとの相違は二次電子の扱い。/制限阻止能とΔを結び付ける。/空洞理論と実機の補正を区別する。
定義・しくみ
空洞中で生じる二次電子の持ち出すエネルギーを考慮し、制限衝突阻止能を用いて空洞と周囲媒質の吸収線量を結び付ける小空洞理論です。電子フルエンスを乱さないなどの条件を必要とします。
FORMULA
式のsは単一エネルギーの阻止能比ではなく適切な平均比です。
提示式は理想空洞の関係で、実測電荷を直接代入する式ではありません。
具体例で確認
教材上の理想小空洞で空気線量1.00 Gy、平均阻止能比を仮に1.12とします。
D水 = D空気 × s水,空気 = 1.00 × 1.12 = 1.12 Gy
理想条件では水線量1.12 Gyです。この比は実機の普遍的な校正定数ではありません。
専門的にもう一歩
Bragg–Gray理論を拡張し、カットオフエネルギーΔ以上の二次電子を輸送される電子スペクトルとして扱います。Δ未満へのエネルギー移行は局所付与として評価し、制限質量衝突阻止能のスペクトル平均比とトラックエンド項を含めて線量比を求めます。実際の電離箱では擾乱補正も必要です。
臨床・測定での確認点
- 空洞寸法と電子飛程の関係を確認します。
- 媒質・電子スペクトル・Δをそろえた阻止能比を使います。
- 標準計測では電離箱の擾乱や線質の補正を省略しません。
覚えるポイント
- Bragg–Grayとの相違は二次電子の扱い。
- 制限阻止能とΔを結び付ける。
- 空洞理論と実機の補正を区別する。
間違えやすい点
- どんな大きさの空洞にも成立するわけではありません。
- Δを検出器の電気的しきい値と混同しません。
- 水/空気と空気/水の比を逆にしません。