RADIOLOGY GLOSSARY
磁化率アーチファクト(Magnetic Susceptibility Artifact)
IN ONE LINE
一言でいうと
磁化率の異なる物質の境界で局所磁場が乱れ、信号低下や歪みが起こる現象です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
空気、骨、金属などの近くで磁場が乱れ、画像がゆがんだり黒く抜けたりします。
身近なイメージ
水面に石を入れると周囲の波が乱れるように、磁場も境界で乱れます。
そもそも磁化率アーチファクトとは?
磁化率アーチファクトは、空気、組織、骨、金属など磁化率の異なる物質の境界で局所磁場が乱れ、信号欠損、歪み、位置ずれが生じる現象です。副鼻腔、頭蓋底、金属周囲で目立ちます。
180度パルスで静的位相ずれを戻さないGREや、読み出し時間の長いEPIで強く現れます。磁場強度とTEが大きいほど一般に増え、SE系、短いTE、広い受信帯域などで低減できます。
定義・しくみ
物質ごとの体積磁化率差が主磁場B0を局所的に変化させ、ボクセル内スピンの共鳴周波数と位相を不均一にすることで生じるアーチファクトです。ボクセル内位相分散はT2*短縮として信号を低下させ、空間エンコード中の周波数ずれは形状歪みや誤配置を起こします。
具体例で確認
GRE T2*強調像で、微小出血に含まれる磁性体周囲が実際より大きな低信号として見えたとします。
局所磁場不均一による位相分散がbloomingを生じた可能性があります。この感度は微小出血検出に有用ですが、低信号域の大きさを実物寸法と同一視しません。
専門的にもう一歩
GRE法やEPIで目立ちやすく、SE法では180度パルスにより一部補正されます。脳底部、肺野近傍、金属周囲で問題になります。
臨床・測定での確認点
- GRE、長いTE、高磁場、厚いスライス、大きなボクセルで影響が増えやすくなります。
- SE/FSE、短いTE、薄いスライス、広い受信帯域、良好なshimで低減できます。
- EPIでは位相エンコード方向の大きな歪みとして現れ、DWIの解剖学的位置ずれへ注意します。
- 金属周囲では安全確認を最優先し、単なる画質対策だけで撮像可否を判断しません。
覚えるポイント
- GRE、EPIで強い
- 金属や空気境界で目立つ
- SE法との違い
間違えやすい点
- ケミカルシフトと原因を混同しない
- T2スター短縮を忘れない
- 金属安全管理とも関連づける