RADIOLOGY GLOSSARY
T1緩和時間(Longitudinal Relaxation Time)
IN ONE LINE
一言でいうと
RFで平衡からずれた縦磁化が平衡値へ戻る過程の時定数です。T1強調画像の画像値やTRそのものとは異なります。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
磁場に沿った磁化が元へ戻る速さを表す時間です。T1が短いほど回復は速くなりますが、T1の時間で完全に戻るわけではありません。
身近なイメージ
同じTRでもT1の短い組織ほど縦磁化が回復している場合があります。信号とT1の対応はフリップ角や撮影シーケンスも含めて判断します。
そもそもT1緩和時間とは?
単一指数の回復モデルでは、初期値と平衡値の差がT1後に1/eへ減ります。
縦磁化が0から回復する条件では、T1後に平衡値の約63%となります。
定義・しくみ
縦磁化Mzがスピンと周囲とのエネルギー交換によって平衡磁化M0へ近づく時定数です。単一成分のモデルではMz(t)=M0+[Mz(0)−M0]e^(−t/T1)です。磁場、組織、温度などに依存し、撮影で設定するTRとは区別します。
CORE FORMULA
基本公式
Mz(t)=M0+)
FORMULA NOTES
公式の補足
63%回復は初期縦磁化0という条件付きです。
反転直後Mz(0)=)]になります。
具体例で確認
教材用にMz(0)=0、T1=1,000 ms、回復時間t=1,000 msとします。
=1−e^(−1)≈0.632
縦磁化は約63.2%回復します。100%回復する時間という定義ではありません。
専門的にもう一歩
T1は組織固有の緩和特性を表す一方、測定法や多成分性によって推定値が変わる場合があります。反転回復法などでは複数の時間点の信号からT1を推定しますが、初期磁化、反転効率、B1不均一、繰返しによる不完全回復を考慮します。T1強調画像の明るさからT1値を直接読み取ることはできません。
臨床・測定での確認点
- 時間単位をmsまたはsで統一します。
- T1測定ではシーケンスとフィッティングモデルを記録します。
- 造影剤や磁場条件が違う測定値を直接同一視しません。
覚えるポイント
- 縦磁化の回復
- 時定数と約63%
- T1とTR・T1強調画像の区別
間違えやすい点
- T1後に完全回復するとしない
- どんな初期値でも63%としない
- T1強調画像の信号をT1値としない