RADIOLOGY GLOSSARY

ウェッジWedge Filter for Radiotherapy

IN ONE LINE

一言でいうと

照射野内の線量分布に傾きをつけるためのくさび形フィルタです。

BEGINNER GUIDE

はじめて学ぶ方へ

放射線の強さに斜めの濃淡をつける道具です。

身近なイメージ

片側が厚く、片側が薄いサングラスで光の強さを変えるようなものです。

VISUAL GUIDE

図・グラフで確認

ウェッジフィルタの厚いheel側と薄いtoe側に生じる線量勾配
heel側は吸収体が厚く減弱が大きいため線量が低く、toe側は減弱が小さいため線量が高くなります。

そもそもウェッジとは?

ウェッジは、照射野内に意図的な線量勾配を作るために用いる放射線治療の補助機能です。物理ウェッジでは厚さが連続的に変わる吸収体をビーム内へ入れ、厚い側の線量をより強く減らします。

動的ウェッジでは金属フィルタを置かず、照射中にコリメータジョーを移動させ、線量率や積算MUを制御して同様の線量勾配を作ります。両者は見かけの傾斜が似ていても、散乱線、線質、MU、周辺線量への影響が同じではありません。

定義・しくみ

基準深における等線量曲線へ傾きを与える機能で、ウェッジ角は通常、ビーム中心軸上の所定深さにおいて等線量曲線とその垂線がなす角として定義されます。厚い側をheel、薄い側をtoeと呼び、heel側ほど減弱が大きいため線量は低くなります。

具体例で確認

体表が傾斜した部位を左右二門で照射し、そのままでは浅い側へ線量が偏る状況を考えます。

高線量となる側へウェッジの厚いheelを向けて線量を抑え、合成線量を均一化します。ウェッジの向きは装置画面の名称だけでなく、実際の線量勾配で確認します。

専門的にもう一歩

物理ウェッジと動的ウェッジがあります。線量分布の傾斜、ウェッジ角、出力係数、治療計画での補正が問われます。

臨床・測定での確認点

  • ウェッジ係数はウェッジ有無の中心軸線量比で、照射野、深さ、エネルギー、装置方式に依存します。
  • 物理ウェッジはビームを硬化させ、ヘッド散乱や漏えい、必要MUにも影響します。
  • 動的ウェッジではジョー移動方向、照射野制限、バックアップジョーの設定を確認します。
  • 二門照射のウェッジ角を決める公式は理想化条件に基づくため、最終判断は三次元線量分布とDVHで行います。

覚えるポイント

  • 線量分布を傾ける
  • ウェッジ角
  • 補正係数

間違えやすい点

  • 照射野の形を作るMLCと混同しない
  • 線量率やMUへの影響を忘れない
  • 厚い側で線量が減る

一緒に確認したい用語