RADIOLOGY GLOSSARY
自由誘導減衰(Free Induction Decay)
IN ONE LINE
一言でいうと
RF励起の後に自由に歳差運動する横磁化から観測される減衰信号です。通常は磁場不均一も含むT2*の影響を受けます。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
RFで励起した直後から聞こえる、だんだん小さくなる信号です。横磁化の向きがばらけるにつれて、合計の信号も弱くなります。
身近なイメージ
T2*=20 msの単一指数模型では、励起後20 msで包絡線は初期値の約37%になります。搬送波の瞬間的な正負と包絡線の大きさを分けます。
そもそも自由誘導減衰とは?
自由な時間発展を観測する信号です。
エコー形成後の信号と区別します。
定義・しくみ
励起パルス終了後の横磁化の歳差運動により受信コイルへ誘導される減衰信号です。単一成分で指数減衰が近似できる場合、振動項とT2*の包絡線で表せます。周波数分布や複数の化学成分があれば波形は単一の減衰正弦波にはなりません。
CORE FORMULA
基本公式
s(t)=S0 *) exp[i(ωt+φ)](単一指数・複素表現)
FORMULA NOTES
公式の補足
、fなら2πfを使います。
実測減衰が常に単一指数とは限りません。
具体例で確認
教材用に単一成分T2*=20 ms、t=20 msです。
=)=e⁻¹≈0.368
約36.8%です。受信開始までのデッドタイムや雑音はこの模型に含めていません。
専門的にもう一歩
受信回路の切替やデッドタイムにより最初の部分を測定できない場合があります。FIDのフーリエ変換で周波数情報を得られますが、線幅と減衰時間の単純関係には波形モデルや窓処理の条件があります。完全に均一な磁場の理想条件ではT2*がT2へ近づきます。
臨床・測定での確認点
- 受信開始時間を確認します。
- 複数成分と位相を考慮します。
- 包絡線と振動値を区別します。
覚えるポイント
- RF後の誘導信号
- 横磁化の自由歳差
- T2*と周波数解析
間違えやすい点
- 縦磁化を直接測る信号としない
- 常にT2だけで減衰としない
- 全MR画像がFIDだけから作られるとしない