RADIOLOGY GLOSSARY
内部標的体積(ITV)(Internal Target Volume)
IN ONE LINE
一言でいうと
患者体内での臓器運動や充満状態などによるCTVの位置・形状・大きさの変動を考慮した、治療計画上の標的体積です。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
照射すべき範囲が体の中で動くことを考え、その動く範囲も含めた体積です。患者全体のセットアップずれとは別に考えます。
身近なイメージ
呼吸位相別画像でCTVの位置を確認し、治療で採用する呼吸状態の変動範囲を包絡します。全位相を使うかゲート内を使うかで条件が異なります。
そもそも内部標的体積(ITV)とは?
CTVに内部マージンを考慮して定義します。
呼吸・膀胱直腸の充満などによる内部の変動が対象です。
定義・しくみ
CTVと、その患者基準座標に対する内部変動を考慮する内部マージンからなる体積です。体積を数値として加算する意味ではなく、CTVの幾何学的な領域を拡張・包絡する概念です。セットアップ不確かさなどを含むPTVとは区別し、運動の方向性も考慮します。
CORE FORMULA
基本公式
ITV = CTVに内部変動のためのマージンを考慮した領域(幾何学的表記)
FORMULA NOTES
公式の補足
CTVとマージンの加算は領域の拡張で、cm³の単純加算ではありません。
一次元例の幅を三次元体積へ直接読み替えません。
具体例で確認
教材用の一次元モデルで幅20 mmのCTVが、中心の基準位置から−3~+5 mm移動するとします。
包絡幅 = 20 + 3 + 5 = 28 mm
この剛体移動モデルの包絡幅は28 mmです。実際の三次元ITVは変形・画像と方法を含めて評価します。
専門的にもう一歩
臓器運動は等方的とは限らず、有限の4DCTが治療期間のすべての呼吸を代表するとも限りません。自由呼吸ITV、ゲート内の残余移動、呼吸停止の再現性は条件を区別します。動きを包絡すると正常組織の高線量体積も増える場合があり、運動管理法とセットアップ誤差の処理を一貫して決めます。
臨床・測定での確認点
- 画像の呼吸状態と包絡方法を記録します。
- 画像取得時の不規則呼吸と欠落位相を確認します。
- 内部変動とセットアップ誤差を二重計上しないよう管理します。
覚えるポイント
- CTVの内部変動を考慮
- 内部マージンとセットアップマージン
- ITVとPTVの区別
間違えやすい点
- ITVを腫瘍の微小浸潤範囲だけとしない
- 体積値へマージンの長さを直接足さない
- 全患者へ同じ内部マージンを使うとしない