RADIOLOGY GLOSSARY
反転時間(TI)(Inversion Time)
IN ONE LINE
一言でいうと
反転パルスから後続の励起など、定義された基準点までの時間です。IRでは縦磁化の回復状態を選び、組織の信号抑制に関係します。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
磁化を反転させてから、次に信号を作るまでどれだけ待つかです。待ち時間によって組織の磁化がゼロになるタイミングを選べます。
身近なイメージ
十分回復した平衡磁化を完全反転する模型でT1=1,000 msなら、縦磁化がゼロを通るTIは約693 msです。臨床設定の普遍的な推奨値ではありません。
そもそも反転時間(TI)とは?
TRやTEとは別の時間です。
基準点はシーケンスの定義を確認します。
定義・しくみ
IR等で、反転RFパルスから後続の励起パルスなど装置が定義する時点までの間隔です。縦磁化のT1回復量を決めるため、特定成分のヌル点を選ぶのに使われます。有限TRや不完全反転、読出しの影響があると単純なヌル式からずれます。
CORE FORMULA
基本公式
TI_null=T1 ln2(平衡から完全反転する理想模型)
FORMULA NOTES
公式の補足
lnは自然対数です。
理想ヌル式を全ての撮像条件へ固定適用しません。
具体例で確認
教材用に完全反転、次の反転まで十分長い間隔、T1=1,000 msです。
TI_null=T1 ln2≈693 ms
この模型のヌル点は約693 msです。有限TR等では別に計算・評価します。
専門的にもう一歩
TIの表示値と中心k空間の取得時刻は同じとは限りません。組織T1は磁場や状態で変わり、STIRとFLAIRでは抑制対象も異なります。磁化が負のときマグニチュード画像では符号が失われるため、ヌル前後の信号と縦磁化の向きを混同しないことが重要です。
臨床・測定での確認点
- TIの基準点を確認します。
- TRと反転効率を合わせます。
- 抑制対象と読出し方式を確認します。
覚えるポイント
- 反転からの間隔
- T1依存のヌル点
- TR・TEとの差
間違えやすい点
- TIをエコー時間としない
- TI=T1をヌル点としない
- 全組織を一つのTIで抑制できるとしない