RADIOLOGY GLOSSARY
MDCT(Multidetector Computed Tomography)
IN ONE LINE
一言でいうと
体軸方向に複数列の検出器を備え、一回の回転で複数の断面に対応する投影を同時に取得するCTです。
BEGINNER GUIDE
はじめて学ぶ方へ
検出器を体の長さ方向へ並べることで、薄い断面の情報をまとめて測れるCTです。列数だけで全性能は決まりません。
身近なイメージ
薄いスライスで収集したMDCTデータからMPRを作ると、体軸方向の情報を用いて冠状断・矢状断を表示できます。最終的な分解能には再構成条件も関係します。
そもそもMDCTとは?
同時収集できる体軸方向の幅が広がり、広範囲の撮影に利用できます。
検出器列数、収集チャネル数、再構成される画像数は同じ概念ではありません。
定義・しくみ
z軸方向へ分割した複数の検出器列から同時に投影データを収集するCT装置です。公称収集幅は収集チャネル数Nとアイソセンタ換算の各チャネル幅Tの積N×Tで表せます。検出器配列と収集設定に応じて利用する列や組合せは変わります。
CORE FORMULA
基本公式
W=N×T(公称収集幅)
FORMULA NOTES
公式の補足
Tは検出器面の実寸でなくアイソセンタでの収集幅です。
公称幅は実際のX線ビームの裾までを表す値ではありません。
具体例で確認
教材用に64収集チャネル、各幅0.625 mmとします。
公称収集幅 = 64×0.625 = 40 mm
一回転の公称収集幅は40 mmです。この値を再構成スライス厚や体軸方向の実測分解能とは同一視しません。
専門的にもう一歩
広い検出器配列では体軸方向へのビーム広がりを考慮した再構成が必要になります。ヘリカル収集ではピッチ、回転時間、収集幅から寝台移動速度が決まり、再構成の体軸方向応答は補間やフィルタにも依存します。装置の公称スライス数は検出器の物理的列数と一致しない場合があるため、仕様と測定結果を分けて扱います。
臨床・測定での確認点
- NとTは実際に選択した収集設定で確認します。
- MPRの画質は体軸方向の応答も評価します。
- 広い収集幅では線量測定法の適用範囲を確認します。
覚えるポイント
- 複数列の同時収集
- N×Tの収集幅
- 列数と再構成画像数の区別
間違えやすい点
- 列数が多ければ線量が必ず低いとしない
- 収集幅を一枚の画像の厚さとしない
- 公称スライス数を検出器列数と常に一致させない